就活生はポケモンなんだという話
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就職活動も本格化してくるこのタイミング。
学生として、採用担当として、両面から就活を経験した身として、
みんなの就活がいい形で終えられればなと思い色々と書きなぐってみました。
就職活動。
数多ある企業の中から自分の行きたい企業を探し出し、
エントリーシート、面接といった様々な関門をくぐり抜け、
どうにかこうにか内定を勝ち取る熾烈な争い。
就活において、学生は得てして自分の視点のみに捉われがちだ。
だから、いかに自分が他の学生より優れているかを示そうとする。
企業にとって、「どこが」優秀であれば採用したいのか、
それを考えることなく、
「よし、この隣のやつよりは俺の方がTOEICの点が高いぞ」
「よし、俺の方が学生時代の実績も上だ」
という自己中心的な比較を行ってしまう。
その結果、こいつよりは上だな、と見下していたやつに平気で負ける。
それもそのはず、企業が見ている優秀さは君が見ている部分の優秀さじゃなかったのだ。
こういった就活をしていては、自分のあるべき姿を見失ってしまうし、
本当の自分を求めてくれる企業にたどり着くことはできない。
当然だが企業にも企業の考えがきちんと存在する。
どんな優秀さであれ、優秀であれば誰でもOK、というわけではないのだ。
企業がなぜ新卒採用を実施しているのか。
単純に優秀な人材が欲しいから、それも間違いではないが浅い。
その企業にとってどういう学生が優秀で、採用したい人材なのか。
その企業はこの先どういった方向に進んで行こうとしており、
そのためにはどういった人材を採らなければならないと考えているのだろうか。
どの企業も、新卒採用の計画は、経営戦略からブレイクダウンして考えている。
数年後にはこの企業はこういう姿を目指したい、だからこのタイミングでとる新卒はこういった人であって欲しいというペルソナを立てた上で採用を進めて行く。
わかりやすくするためにポケモンに例えてみよう。
そうするとだいぶわかりやすくなる。
ポケモントレーナーはみな何かしらの目標を持っている。
ジムリーダーを倒すことかもしれないし、
四天王のチャンピオンを倒すことかもしれない。
マグマ団を壊滅させることかもしれない。
そんなポケモントレーナーたち。
でもトレーナーは自分では戦えない。
だからポケモンという仲間の力を借り、自らの夢を実現させるために共に奮闘する。
時には道具を使い、弱ったらポケモンセンターに連れて行き、
6体という限られた仲間たちを大事に育てながら戦って行くのだ。
就活はそのポケモンの厳選だ。
四天王のチャンピオンを倒すのはどんなポケモンたちが必要なのか、
ジムリーダーを倒すには?
マグマ団を壊滅させるには?
自分の目的を達成するためにはどんなポケモンを手持ちに加えればいいのか知恵を振り絞りながら、ポケモンの選定をする。
トレーナーは目的達成のためにどういったポケモンが必要なのかを把握している。
つまり、どれだけ強いポケモンでも、求めるポケモン像とずれている場合、ゲットされることはない。
考えてみてほしい。
電気タイプのジムに臨む時に水タイプのポケモンを連れて行くだろうか。
四天王に臨む時に、パーティーを全て同じタイプで固めるだろうか。
電気タイプのジムに行くときは、じめんタイプを集めるだろうし、
四天王に挑むときは様々なタイプに対応できるようにバランスのいいパーティー構成にするだろう。
このように、トレーナーがどんな目的を掲げていて、どんなパーティーを作りたいのかを想像することが、
より良い、自分に適したトレーナーの仲間になる上では必要不可欠である。
トレーナーが素早さの高いポケモンを求めているところに、防御力の高さを推していっても仕方がない。
とはいえ、ポケモンはそれぞれタイプが決まって入るし、個体値というパラメータもそれぞれ違う。
じめんタイプのポケモンは飛行タイプになることはできないし、
素早さが低いポケモンは、どこまでレベルを上げても相対的に素早さは低いままである。
私はそれはそれでいいと思う。
それこそが個性なのだ。
素早さの低いポケモンも、他のポケモンには負けない他の能力を持っていたり、
じめんタイプのポケモンも、飛行タイプには使えない技をたくさん使える。
みんな違ってみんないいのだ。
そう、みんな違ってみんないい。
だからこそ、自分のことをいいと思ってくれるトレーナーに見つけてもらうことが大事なのだ。
イケメンなトレーナーでも、
美人なトレーナーでも、
お金持ちなトレーナーでも、
有名なトレーナーでもない。
自分と同じ夢を持ち、夢を叶えるために自分のことを必要としてくれる、そんなトレーナーこそが、
君というポケモンに最も適したトレーナーなのだ。
そのトレーナーは優秀ではないかもしれないが、同じ志を持ち、自分を必要としてくれる、自分に期待してくれる、
そんなトレーナーのもとで戦うのは苦しい場面もあるかもしれないが、すごくやりがいがある。
是非、自分に最も適したトレーナーのもとに辿り着いて欲しい。
それは簡単なことではない。
トレーナーが何を目標としているのか、どんなポケモンを欲しているのか。
調べられる情報だけでは分からない部分が大いにある。
調べて分からなければ聞けばいい。
そのトレーナーに聞けば良い。
そのトレーナーのポケモンに聞けば良い。
自分のパートナーを決める、という一大イベントなのだ。
どれだけ時間を費やしても無駄にはならない。
ただ、それ以上に自分は何タイプのポケモンなのか、どのパラメータが高いのか、
どんな戦い方をすべきポケモンなのか、そこを自分でも把握できていないポケモンが多い。
野生のポケモンを思い出して欲しい。
レベルはそこそこ高いのに意味不明な技構成のポケモンがいなかっただろうか。
自分が何者なのか、自分が何をしたいのか、自分は何タイプなのか、
そういった、自分のことを正確に把握できていない限りは、いくらトレーナーの情報を把握したところで、
自分に最もマッチするトレーナーを選ぶことなどできない。
一度きりの自分の人生なのだから、面倒だなんて思わず、
一度ぐらい本気で自分のことを考え抜いて見ると良いと思う。
長々と書いてきたが、まとめると、
・企業のブランドなどに踊らされず、本質的な部分の情報を知りに行く。
・自分自身のことにきちんと時間をとって向き合い、自分が何者なのか、何がしたいのか、何が出来るのかを改めて考え直す。
この2点を本気でやれば、最終的に納得のいく形で就活を終えることが出来ると思っている。
決して、誰もが知っている大企業の内定を勝ち取れる、とかそういった話ではない。
その会社が何をしている企業なのか、どのぐらいの規模なのか、それは人それぞれだと思うが、
自分に最も適した企業にたどり着くことが出来るだろうという意味での、納得いく形、だ。
自分は何タイプのポケモンで、どのパラメータが強みなのか。
ミュウツーにはミュウツーなりの、コラッタにはコラッタなりの、就活の仕方がある。
まずは自分が何者なのか見極めて、自分と志を同じくするトレーナーを見つけ出して欲しい。